理解すること

私は昔からけっこうなメモ魔で、授業でも講演でも研修でも、何かお話を聞く機会がある度にメモを取ってきました。

で、そのメモは活用するかというとそうでもなく、近いうちに必要になるもの以外は大量のメモの中に埋もれていくというのが常だったのですが、ごくごくたまに、掃除ついでに読み返すことがあります。

そうしてお仕事関係のメモを見返すと、すごく良いお話を聞いていたことに今になって気付いてびっくりすることがあります。

メモを取っていた当時、そこまで感じ入って話を聞いていた覚えは全くありません。

せっかく時間を割いて話をしてもらっているのだから、記録を残さなくてはという程度のつもりで書いていました。話の内容は一応理解はしているのですが、経験が伴っていないものだから実感がわかず、当時は本当に薄い理解でした。

初心者の時に、初心者のためにと心を砕いてお話しいただいたことを、本当に理解出来るようになるのはある程度経験を積んだ後だなんて、皮肉です。

あの頃に、伝えようとしてくださったことをもっと理解出来ていれば、もっと失敗は少なかったはずなのにと悔しくなりますが、その失敗があったからこそ、理解出来るだけの下地がようやくできてきたのでしょう。

文を読むだけの、読解力ならあるつもりですが、それと理解力はまるで別物です。

得た知識と経験を結びつけ、活用する力。

あーーーそれはずっと足りてないなぁと情けなくなります。

今わかっているつもりでわかっていないことを将来わかるようになるために、仕方が無いなぁと思いながら知識と経験(失敗)をため込んでいます。