無力を言い訳に
2011年の今日、私はのどかに散歩をしていました。
私の住んでいる地域は地盤が強く、大きな地震はめったにありません。
さすがに少しは揺れたのかも知れませんが、あったとしても歩いていると気付かない程度でした。
帰ってきてニュースを見て、あの地震を知ったのでした。
私は呆然としてしまって、何もできませんでした。
でも私の身近な人で、できることをしたいと募金活動を始めた人がいました。
私は、少しの募金をしただけで大きなことは何もできなかったけれど、こんな風にすぐに自分のできることを探して実行できる人を、すごいと思ったのです。
あれから、毎年この時期になると、中島みゆきさんの『銀の龍の背に乗って』という歌を思い出します。
「あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる」
この始まりの部分を聞くたびに、東日本大震災の被害に遭われた方々のことが思い浮かびます。大切な人や家をなくし、青ざめた顔で心を痛めている人たち。
同時にとても申し訳ない気持ちになります。
私は不安がっているばかりで、何も出来なかったから。今も何もできていないと感じるから。
結局私にできたのは、わずかな額の募金をすることだけでした。
安全なところから、できることを本気で探そうともしないで。
ああ、情けない!