いつかの話

最近、よく先のことを考える。

 

私は今の仕事を辞めて、小さなアパートで一人で暮らしている。

最低限のものを買って、最低限のものを持って、ほとんど誰とも関わらずに。

朝が来ると一日分の食事を作って、それを決まった時間に少しずつ食べる。

あまり人の多くない時間帯に外へ出て、少しだけ散歩をして家に戻る。

テレビもない部屋で、音楽をかけて、図書館で借りた本を読んで過ごす。

 

そういう生活を一般的には寂しい生活だと言うことは知っているけれど、私自身は寂しいとは思えない。

そんな生活でも、人と関わらずには暮らせない。

いつも行くお店の店員さんとのあいさつ、隣の部屋に住む人の生活する音、散歩の途中ですれ違う人。

それだけあれば、もう十分一人じゃないと思えてしまう。

 

確かに、一人で暮らしていれば怪我や病気で不自由することはあるけれど、

それ以上に、誰かと暮らす自分が想像出来ない。

一人の時間があることの方が、その何倍も価値がある。

 

価値観が人と違うのは仕方がない。

せめて他人に迷惑をかけないで済むように、自分の面倒くらいは見れるように、せいぜいお金を貯めておくとしよう。